皮膚悪性腫瘍の治療
最も大切なことは、積極的に皮膚癌を疑って皮膚生検にて確定診断をつけることです。
日光角化症の治療
顔面や手背など露光部に生じる前癌病変(皮膚癌の一歩手前)です。湿疹だと思いステロイド外用剤を塗っているが、一向に良くならないなどのエピソードで受診されることがあります。
皮膚生検で皮膚の一部を採取し、病理組織学的な検討を行います。
治療はイミキモドクリームの外用、外科的切除、液体窒素凍結療法などがあります。
ボーエン病の治療
前項の日光角化症と同様に前癌病変ですが、日光角化症と違い全身のどこにでも発生する可能性があります。手足に生じるものはヒト乳頭腫ウイルス(HPV)との関連性も指摘されています。また、最近ではあまり見かけませんが、井戸水を飲む習慣のある人はヒ素中毒の症状として、全身にボーエン病が多発することがあります。
皮膚生検で診断を確定し、治療の基本は外科的切除です。病変部から5mmほど離して完全に切除します。切除後は縫縮しますが、難しい場合には植皮術や皮弁術で創を閉鎖します。
有棘細胞癌の治療
日光角化症やボーエン病などの前癌病変からの進展のほか、熱傷瘢痕、慢性難治性潰瘍、慢性放射線皮膚炎、慢性円板状エリテマトーデスなどの瘢痕性病変、その他に扁平苔癬、汗孔腫、汗孔角化症などが発生母地となります。
腫瘍の大きさや深部への浸潤の程度、所属リンパ節腫脹などから転移が疑われる場合は、エコーやCT検査などでの全身精査が必要となりますので、然るべき施設へ紹介させて頂きます。
治療は皮膚生検で診断を確定し、外科的切除を行います。腫瘍より1cm程度離して完全に切除し、一次縫縮、植皮術、局所皮弁形成術などで創を閉鎖します。
基底細胞癌の治療
身体の正中部に出来やすいという特徴のほか、視診とダーモスコープを用いて臨床診断を下し、皮膚生検で診断を確定します。
治療の基本は全摘出ですが、腫瘍の発生部位や生検時の病理組織学的な腫瘍の特徴によって切除範囲は数mm~1cm程度と様々です。
乳房外パジェット病の治療
陰部や腋窩の痒みのない湿疹が外用剤で一向に良くならない、との訴えで受診されることがあります。陰部はなかなか他人に見せにくい場所であるため、受診時には病状が進行している場合もあり、周囲のリンパ節腫脹や骨転移、肺転移などの有無を確認するためにエコー検査やCT検査などが必須となります。
また、肉眼的に確認できる範囲よりも広く腫瘍細胞が存在している場合もあり、手術前に切除範囲を決定するためにしばしばマッピング生検が行われます。
切除範囲が広範となることが多く、入院がほぼ必須のため、当院では一部生検にて診断が確定すれば、然るべき施設に紹介しております。

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